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なぜ私たちは『流行』を追わないのか?10年後、20年後も家族が心地よい家の条件

家づくりを始めると、心躍るような情報が次々と目に飛び込んできます。
スタイリッシュなデザイン住宅、最新のスマート設備、SNSを賑わす流行のインテリア…。どれも魅力的で、「こんな家に住んでみたい」と夢が膨らみます。

しかし、その一方で、ふと立ち止まって考えてしまうことはありませんか。

「このデザインは、10年後も素敵だと思えるだろうか?」
「子どもが成長し、家族の形が変わった時、この間取りは本当に使いやすいだろうか?」

家は、人生で最も長く時間を過ごす場所であり、ご家族の物語が刻まれていく大切な舞台です。だからこそ私たちは、一時的な流行や刹那的な魅力に流されるのではなく、もっと本質的な価値に目を向けたいと考えています。

この記事では、なぜ私たちが安易に『流行』を追わないのか、そして、10年、20年、さらにその先も、ご家族が心から「この家でよかった」と思える、普遍的な心地よさを持つ家の条件とは何かを、私たちの哲学と共にお伝えしていきます。

「流行の家」が10年後に抱えるかもしれないリスク

新しいものがすべて悪いわけでは、もちろんありません。しかし、「今、一番新しい」という理由だけで物事を選ぶことには、将来的なリスクが伴うことも事実です。それは家づくりにおいても同様です。

色褪せるデザインと「飽き」

建築の世界にも、ファッションと同じようにトレンドの波があります。数年前に一世を風靡した奇抜な色使いや特徴的すぎるデザインが、今見ると少し古臭く感じてしまう、という経験は誰にでもあるでしょう。

もちろん、その時代を象徴するデザインとして価値を持つものもあります。しかし、毎日暮らす住まいにおいて、強すぎる個性は時として「飽き」に繋がります。また、家のデザインが個性的すぎると、合わせられる家具やインテリアの選択肢が狭まり、将来の模様替えや好みの変化に対応しづらくなるという側面もあります。

ライフスタイルの変化に対応できない間取り

家を建てるその瞬間は、ご家族の歴史の中でもほんの一コマに過ぎません。今は小さな子どもたちのための広々としたプレイルームも、10年後にはそれぞれの個室が必要になるかもしれません。夫婦二人で始めた暮らしに、新しい家族が増えることも、その逆もあります。

「今の暮らし」に完璧にフィットさせすぎた間取りは、こうした家族のライフステージの変化に対応できず、数年後には「使いにくい」「窮屈だ」と感じる原因になり得ます。特定の趣味のためだけに作り込まれた部屋が、いつしか使われない物置になってしまう…そんな話は、決して珍しくないのです。

技術の陳腐化とメンテナンスの問題

目覚ましいスピードで進化する住宅設備。タッチレス水栓、スマートキー、最新の空調システム。暮らしを便利にする技術は魅力的ですが、最新鋭であるほど、数年でより優れた製品が登場し、あっという間に「古い型」になってしまう宿命も持っています。

さらに深刻なのは、メンテナンスの問題です。あまりに特殊な建材や工法を採用してしまうと、将来、修理やリフォームが必要になった際に、対応できる業者が限られたり、部品の調達が困難になったりして、想定外の高いコストがかかってしまうリスクがあるのです。

10年後、20年後も「心地よい」と感じる家の3つの絶対条件

では、時を経ても色褪せることなく、家族の変化に寄り添い続けてくれる家とは、どのような家なのでしょうか。私たちは、そこに3つの絶対的な条件があると考えています。

条件1:時を重ねるごとに美しくなる「本物の素材」を選ぶ

新築時が最も美しく、時間が経つにつれて汚れて古びていく。それが一般的な「劣化」という考え方です。しかし、私たちが大切にしたいのは、その逆の発想。すなわち**「経年美化」**です。

例えば、無垢材のフローリング。最初は明るい色合いだった木肌が、家族が歩き、太陽の光を浴びるうちに、ゆっくりと深みのある飴色に変化していく。子どもがつけてしまった小さな傷さえも、やがては家族の歴史を物語る愛おしい「景色」になる。

漆喰や珪藻土といった自然素材の塗り壁も同様です。ビニールクロスにはない、独特の質感と陰影。汚れたら削って補修することもできるし、部屋の空気を心地よく調湿してくれる機能も、時が経っても失われることはありません。

傷や色の変化を「劣化」として嘆くのではなく、「味わい」として楽しむ。本物の自然素材だけが持つ、この「経年美化」という価値こそが、住まうほどに愛着が深まっていく家の土台となるのです。

条件2:家族の変化に寄り添う「シンプルで余白のある間取り」

私たちは、家を「暮らしの器」だと考えています。完璧に作り込まれた作品ではなく、ご家族が自分たちの色で満たし、彩っていくための、シンプルで上質な器。だからこそ、間取りには適度な「余白」が必要不可欠です。

例えば、子ども部屋。最初から壁で完全に仕切られた二つの部屋を作るのではなく、将来、二部屋に分けられるように設計された、大きな一つの空間にしておく。そうすれば、子どもが小さいうちは走り回れるプレイルームとして、成長すれば家具や間仕切りでそれぞれの空間を作り、やがて子どもたちが巣立った後は、壁を取り払って夫婦の趣味室や広い客間として使うことができます。

収納も同様です。用途を限定した造り付けの棚をたくさん設けるより、自由に使い方を変えられるシンプルな収納スペースを確保しておく方が、暮らしの変化に柔軟に対応できます。

「今はこう使うけれど、10年後はこう変えられるかもしれない」
そんな風に、未来の暮らしを想像できる「可変性」こそが、家族の変化に優しく寄り添う間取りの鍵なのです。

条件3:見えない部分こそが快適さを支える「確かな性能と構造」

デザインや間取りがいかに素晴らしくても、夏は蒸し暑く、冬は底冷えするような家では、心から「心地よい」と感じることはできません。流行のデザインは変わるかもしれませんが、「夏涼しく、冬暖かい」という快適さへの欲求は、10年後も20年後も、決して変わることのない普遍的な価値です。

家の快適さを根本から支えるのは、断熱性や気密性といった、目には見えない「住宅性能」です。壁の中に隠れてしまう断熱材の種類や施工精度、窓の性能。こうした家の骨格となる部分にこそ、私たちは誠実に向き合わなければなりません。

そしてもう一つ、絶対に譲れないのが「安全性」です。地震大国である日本において、家族の命を守る頑丈な構造(耐震性)は、家づくりの大前提です。この「安心」という絶対的な価値もまた、時代や流行によって揺らぐものではありません。

一見地味で、カタログでは華やかに見えない部分。しかし、この「確かな性能と構造」という土台があって初めて、デザインや間取りといった上物が活きてくるのです。

「愛着」を育む暮らし。私たちがお手伝いできること

時を経ても愛せる家とは、単に「長持ちする」というだけではありません。ご家族が主体的に関わり、手をかけることで、唯一無二の「我が家」へと育てていくものです。

対話から生まれる、ご家族だけの「普遍性」

長く愛せる家の設計は、流行のプランをコピーすることから生まれるのではありません。ご家族がどんな暮らしを大切にし、どんな未来を夢見ているのか。休日の過ごし方、大切にしているモノ、苦手なこと。そんな、何気ない会話の積み重ねの中にこそ、そのご家族だけの「普遍的な価値」のヒントが隠されています。

私たちは、設計士やコーディネーターではなく、お客様の想いを引き出し、形にする「翻訳家」でありたいと思っています。深い対話を通して、ご家族だけの「心地よさの物差し」を一緒に見つけ出すこと。それが、私たちの仕事の始まりです。

手間をかける喜び。住まい手と共に育てる家

無垢材の床に、年に一度、家族みんなでオイルやワックスを塗り込む。その少しの手間は、家に愛着を抱くための、かけがえのない時間になります。自分の手でメンテナンスをした場所は、より一層大切に思えるものです。

私たちは、そうした「手間をかける喜び」も、お客様にお伝えしていきたいと考えています。専門的なメンテナンスはもちろん私たちプロが行いますが、ご家族でできる簡単な手入れの方法をお伝えし、家と共に成長していく暮らしをサポートします。

まとめ:未来の家族への最高の贈り物、それが「時を経ても愛せる家」

流行を追わない家づくり。それは、決して懐古趣味や、変化を拒む頑なな姿勢ではありません。むしろ、これから何十年と続いていくご家族の未来を見据え、変化していく暮らしを優しく受け止めるための、最も賢明で誠実な選択だと、私たちは信じています。

傷ひとつないピカピカの新品の状態が頂点なのではなく、家族の笑い声や物語が刻み込まれるほどに、味わいと愛着が増していく。
そんな家は、未来のご家族への、最高の贈り物になるはずです。

あなたの家族にとっての「変わらない価値」とは何でしょうか。
10年後、20年後のご家族は、どんなリビングで笑い合っているでしょうか。

もしよろしければ、そんな未来の物語を、小池工務店と一緒に考えてみませんか。あなたの想いをお聞かせいただける日を、心よりお待ちしております。

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